透析技術認定士による透析の基礎の基礎(6)~腎臓内科医にインタビュー~
皆さま、こんにちは。
12月を過ぎて寒さが本格的になってまいりました。雪もどんどん積もっていますよね~。
青森ドクターズネットコラム「透析技術認定士による透析の基礎の基礎~透析を知ることでカラダを労わることを意識しよう~」:第五弾「腎臓内科医にインタビュー」を一緒に学んでいきましょう。
にしあらい生活習慣病クリニックのRemy Chen先生に、日本と海外の透析についていろいろとお話してもらいました。
1.日本透析と海外透析は何が違いますか?
日本とアジアは移植率が低くて、団体治療で管理し、尊厳を一部損なうが予後を良くしている。欧米は、移植率が高く移植できない人は、大抵病状が重く予後が悪い。
また、アメリカに限って言えば、透析導入後も保存期の医師に引き続き、主治医になってもらえるのでとても合理的。
2.今後の日本透析治療はどのようになりますか?
腹膜透析、在宅透析、腎移植などのバリエーションを増やすのではなく、団体治療で管理することで、高い”戦果(予後)”をあげている。
しかし、これではとりわけ現役世代の患者の社会復帰の妨げになり、また患者側の尊厳と人権を軽んじることになる。
学会の上層部と一部の識者は、腹膜透析、在宅透析、腎移植などの選択枝を増やそうと努力していますが、これには、当事者である患者自身・全腎協などの患者団体も、一緒に戦わなければ、結果には結びつかない。
なお、日本の患者は「コンプライアンス(医療関係者への服従)」が重視され、アジアの中でも、特に「アドヒアランス」、「コンコーダンス」=患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その治療法に向けて自らも行動していくこと)はとても欠けていると感じる。
3.在宅透析は今後増えていくと思いますか?
HHDは、現行制度を緩和すること、そして、「アドヒアランス」、「コンコーダンス」を、患者側(患者団体)の方にも浸透した上で、「ノーリスク」の文化から脱却して、患者・家族らが自らリスク管理をしなければ、広がらないと思う。
まとめ
今回は世界を飛び回っている腎臓内科医のRemy先生にインタビューさせて頂きました。
世界の透析と日本透析の違いは移植率と予後の違いでしたね。日本透析は世界トップクラスと言われています。
しかし、日本は透析治療予後は良いですが、移植率が低いですね。昔に比べれば移植する患者さんは増えましたが諸外国に比べるとまだまだ少ないようです。また、在宅透析も全国で約700名程度と聞いています。
これからの日本透析治療も新しい治療法や在宅治療など患者様やご家族の希望に添えるような治療展開になれば素晴らしい事だと思いましたし、我々も努力していかなければいかないと感じました。
最後に透析患者さんはみなさん基礎疾患を持っています。寒くなるこの季節、コロナ感染に気をつけて乗り切ってくださいね。