ヒト・コト(人事)日記⑪~「新人歓迎会」という名のただの飲み会?~
新年度が始まりました。
コロナ感染が始まって3回目の4月。
すっかりコロナ感染防止の生活に慣れてきて、それが日常になってきたようにも思います。
例えば私の場合、
✅ コンサルティングや研修は、リモートが当たり前
(毎月10ヶ所ぐらいに訪問していたのが、今や1,2ヶ所程度)
✅ ホントに必要な外食だけしかしなくなった
(外食は3ヶ月に1回程度)
✅ 人と会うにも、大切な理由があってこそ
(初めての案件はまずリモートからで、話が進んできたら対面)
などなどです。
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今月、龍谷大学心理学部(2023年開設予定)の教授:水口氏が「上司と部下の世代間ギャップ」に関する調査を公開しました。
その調査で、部下が上司に対して感じる具体的なギャップの1つに「親睦会や飲み会の必要性」が挙げられていて、同教授の考察では、「仕事とプライベートの境目が曖昧な上司への違和感を持っているのではないか」とありました。
3月、4月と言えば、送別会や新人歓迎会が盛んに行われる時期でした。しかし、コロナ感染が始まって3回目の3月、4月。
今年入職して新人さんは、新人歓迎会はもう期待もしていないですし、職場での飲み会はないものだと思っているのではないでしょうか。
先日、ある病院でのコンサルティングで、人事課長との会話でこんな話題になりました。
人事課長の知人が、新人さんに・・・
「○日に○○さん(新人さん)の新人歓迎会するから、18時から空けておいてね」
と言ったところ、新人さんは・・・
「必ず参加でしょうか。もうしそうでしたら、時間外(手当)付きますか?」
こういうことは最近よくあるよとその知人も知ってはいましたが、本当にあるんだ・・・と
驚いたということでした。
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自分が新人歓迎会をしてもらったときのこと、後輩が入ってきて新人歓迎会をしたときのこと、それぞれ振り返ってみました。
自分が新人歓迎会をしてもらったときの本音は、
✅ とにかく緊張
✅ いっぱい美味しそうなのがあるけれど、食べていいものか・・・
✅ 上司や先輩にお酌しないといけないものか・・・
✅ 会話が続かない・・・(上手に会話を続けられない)
など、歓迎されているとはいえ、全然くつろげるものではなかったです。
後輩が入ってきて新人歓迎会をしたときの本音は、
✅ 「新人歓迎会」という名のただの飲み会だよな
✅ 新人さんがいるいないに関わらず、いつもどおり騒いでいる先輩同僚たち
✅ 「新人歓迎会」という名の、当時はアフターコミュニケーションの場
だったように思います。
となると、
✅ 新人さんを歓迎することを目的としつつ、ただ単なる飲み会に過ぎなかった
✅ 飲み会で歓迎するのではなく、職場で本来の歓迎をすべき…
(例えば、きちんと仕事を教える、気にかけてあげる、相談にのってあげるなど、職場で新人さんが早く慣れるようにサポートする)
というのが私の結論です。
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コロナ感染が続き、私たちの日常生活は多くの点で変化しました。
世代間ギャップはどの時代にもあるとはいえ、私たちの常識は、世代が違うと常識ではないですし、新たな常識を受け入れる、慣れるほうがスマートな感じがしてきました。
このこと、皆さんはどう考えられますか?
■執筆:下田静香(株式会社エイトドア代表取締役、セラピストリーダーズアカデミー編集長)
法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科修了(経営学修士MBA)。医療、介護、保育、障がい者施設の人事制度構築、人材育成・組織運営等研修等や講演、執筆等で活動。
全国の病院、福祉施設で実績を積み、それに付随する評価者研修講師は延べ800件を超える。回復期リハビリテーション病棟協会、東京都社会福祉協議会、神奈川県社会福祉協議会、香川県看護協会、長野県看護協会、八戸市消防本部他団体他で研修講師を務める。
著書に「介護施設のためのキャリアパスのつくり方、動かし方」(東京都社会福祉協議会)、「理学療法士育成OJTテキスト」(文光堂 共著)他。現在、「デーリー東北紙『私見創見』」にコラム執筆中。