医療者と患者さんのマインドギャップについて

最終更新日:2020年6月30日

今まで多くのメディアを作ってきたので、ドクターに取材をして、記事にして、世に出すと

たまにネガティブな反応の感想が飛び込んできます。

 

「私はここに行ったけど、あまりいい印象がないのになぜ取り上げたんだ?」というような内容です。

 

そんな感想に戸惑っていましたが、以前、あるドクターとその話をして、もやもやが解消されました。

 

その先生曰く、「医師も人間だから、至らない点が多々ある。自分も今まで多くの患者さんを怒らせたり、失望させたりしている。でもね、毎日何十人~何百人の人を診察していて思うのは、それが人間だということ。みんな様々な思いや苦しみをもって来ているので、うまくフィットしないとそういうことになる。答えがない世界なので医師もスタッフも自分の出来る範囲で頑張るしかない」とのことでした。

 

こういう感情の問題は、白黒はっきりしているものではなく、かなりあいまいなものだし、気分や環境で変わることも多々あります。

 

私がこういうミスコミュニケーションで問題だなと思っているのは下記の点です。

 

●医師側の問題

圧倒的な医療の知識量があるので、無意識に上から目線で話していることがよくある

態度が横柄なことがある(上から目線で話すのでそう取られる可能性が高い)

話をじっくり聞こうという姿勢がない(忙しすぎるという背景がある)

無理難題を吹っ掛けられた時にネガティブに反応してしまうことがある

 

●患者さん側の問題

医師は人格者だと勝手に思い込んでいること

必ず治してもらえると過度に期待すること

~だろうと勝手に判断してしまうこと

消化できない思いや、やりきれない気持ちをつい医療従事者にぶつけてしまうこと

 

 

こういう双方の問題があり、何かのハプニングやトラブルがあると火がついて、炎上してしまうことになります。

 

なぜそうなるのか?

 

それはお互いにラポールを築けていないからです。心の架け橋とも言われますが、ここの部分をいかにうまくかけられるようになるのかは医療機関側の工夫や腕が重要かと思われます。

 

また、患者さん側のコミュニケーションの工夫も実は大事だったりします。

分からないことはきちんと質問する。口に説明しづらかったら紙に書いて、手渡しする。不満を抱えたまま、ずっと溜め込んで、急に爆発する人がいます。それは双方にとっていいことないので、そういう気質を持っている人はご注意を。

 

患者さんの要望に対応してくれず、不誠実な医療機関であれば、それは違うクリニックに転院するというのは一つの方法だと思います。医療機関にとって一番の痛手は患者さんが行かなくなることですから。

 

私はクリニックの裏側から患者さんを見ていたこともあるので、患者さん側に問題がある場合も見てきています。なので、どちらが良くて、どちらが悪いという問題ではなく、コミュニケーションの問題だと感じています。

 

コロナウイルスの影響でこれから医療機関の経営は厳しくなるのは間違いないと思います。こういう時にこそ、患者さんの不安を取り除き、活発なコミュニケーションで地域を盛り上げる医療機関が重宝されるし、勝ち残るのだと感じています。

 

医療機関で嫌な思いをされた方、逆に患者さんからの無理難題でご苦労された医療関係者の皆さん、双方が歩み寄れるように青森ドクターズネットはその間で翻訳者として頑張っていきたいと思っております。

  • この記事に関するご感想・ご意見・お問い合わせなどがございましたら、ぜひご記入ください。ご記入頂いた皆様の中から毎月10名の方に編集部よりお楽しみプレゼントを送らせて頂きます。
執筆者
青森ドクターズネット編集部

青森ドクターズネット編集部

blank