女性の歯並びや口腔内環境が出会いや結婚に影響する話 ~あなたは人生のパートナーの歯並びを気にしますか~

最終更新日:2022年5月3日

大手結婚相談所のデータによると「結婚する時に歯並びを気にしますか?」という質問の答えは、歯並びを気にする派は55%、歯並びを気にしない派は45%だそうです。

婚活中の男女のうち、半分の人が歯並びでマイナスポイントが付いてしまう、という結果になります。

 

歯並びが悪い事のデメリットは大きく分けて2つ考えられます。

まずひとつめは見た目やイメージに関することです。

 

歯並びが悪いと清潔感に欠け、不潔な印象を与えてしまうことがあります。幼い時は保護者の歯に対する価値観や経済状態によって矯正治療が難しい場合もありますが、社会人になって経済的に自立したのに歯に意識が向いていないのは、だらしがないと思われるようです。

 

また、矯正治療は自費治療(一部、顎の骨を切る外科処置の対象となるものは保険適応になることもあります)のため、それなりの金額の治療費が必要になります。

 

アンケートには、歯並びは治せるものなのにそれができなかったのは金銭的に厳しい家庭だと思うので、そのような家庭が義理の実家になるのは避けたい、という手厳しい意見もありました。

歯並びが悪いために発音がはっきりせず、相手に言葉がうまく伝わらないこともあります。

ふたつめのデメリットは健康に関することです。

 

前歯が出っ歯だと前歯で食べ物を噛み切ることができません。奥歯が正しくかみ合っていないと食べ物を噛み砕くことができにくくなります。そのために消化器に負担がかかり、体調不良の引き金になる可能性があります。

 

また、歯並びが悪いと歯磨きがしづらくなるので、むし歯や歯周病の悪化の原因になります。そして、口腔内環境の悪化は口臭の原因にもなります。

 

歯の位置が悪いと顎に負担がかかり、顎関節症や肩こり、頭痛の原因のひとつになっていることもあります。たかが歯並びと思われがちですが、健康にも関係しています。

 

矯正治療は見た目の歯並びだけを治すものと思われがちですが、全身状態にも関わっているということはあまり知られていません。

 

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは1971年に「メラビアンの法則」では他人への印象を与えるものとして「視覚情報(見た目)が55%」「聴覚情報(話す声の大きさやトーン)が38%」「言語情報(話の内容)が7%」の割合で影響を与えていると提唱しています。

 

メラビアンの法則は他人とコミュニケーションをとる時には話す内容が重要ですが、話をする前に、第一印象のほとんどが「見た目で決まってしまう可能性が大きい」ということを物語っています。

 

婚姻数はコロナ前から徐々に減少していましたが、コロナ禍が始まってからは人と人との接触機会が低下したため、急激に減少しています。

 

新しい時代は「結婚」という形にとらわれることなく、パートナーとの関係が成立します。しかし、人は一人では生きていけません。年齢や立場を超えた信頼できるパートナーに出会うためには、自身に満ち溢れた素敵な笑顔が必要です。

 

歯並びにコンプレックスを抱えているために、自分に自信が持てないなんてもったいないと思います。一人一人が持っている「自分らしい魅力」が歯並びによって減ってしまわないように願っています。

 

矯正治療はお子さんだけのものではありません。大人になってからでも出来る治療です。

人生100年時代。どんな歯並びで、どんな笑顔で一生をすごすか?

 

もし歯並びで悩んでいる方がいらっしゃったら一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

コラムニスト:大澤優子

株式会社ケロル 代表取締役
歯科医師

八戸市出身。岩手医科大学歯学部卒業後10年の勤務医生活を経験し、その後大澤歯科医院副院長となり現在に至る。

医院とスタッフのマネジメント、子育てで悩んでいた40代で個性心理學と出会い、個性心理學認定講師として一部上場企業、歯科デーラー、小児科医院などでの講演を多数行っている。

青森市大澤歯科医院「ママさん歯科医師Dr. YUKO」のブログで女性歯科医師としての目線で、日々の診療、働く女性として、子育てのことなどを発信中。

●青森市大澤歯科医院「ママさん歯科医師Dr. YUKO」のブログ
https://ameblo.jp/dr-yuko0610/

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執筆者
池上文尋

池上文尋

北里大学獣医学部 動物資源科学科卒 
大学時代、現在、人に使われている生殖医療の基本技術を学ぶ。
卒業後、外資系製薬企業に所属し、12年間、製薬企業のマーケティングスタッフとして勤務する。(ノバルティス・メルクセローノ・ファイザー)

特にセローノでは不妊治療に使うホルモン剤を中心に扱っていたので、不妊治療に関わる先生方と深く関わることになった。

2000年7月に株式会社メディエンスを設立、日本全国の産婦人科クリニックや病院の広報やブランディングをサポートする事業を開始。また、製薬企業向けのポータルサイトを制作、製薬企業のスタッフ教育に関わる。

不妊治療に造詣が深く、妊娠力向上委員会、胚培養士ドットコム、日刊妊娠塾という不妊治療関係のネットメディアを運営している。また、不妊治療関係の企業へのコンテンツ提供を行っている。

2002年より、オールアバウトの不妊治療ガイドとして16年間執筆・編集に従事。その他にも不妊に関する多くの著書、映画、調査などのアドバイザーとして関わる。

不妊治療の取材で訪れたクリニックや病院、関係施設は300を超え、日本で最も不妊関係の取材を行っている一人である。現在もその姿勢は変わらない。

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