ヒト・コト(人事)日記⑤~更に工夫が求められる時代へ~
2020年も残すところ2週間余りとなりました。
今年は年が明けてから、新型コロナウイルスに振り回される一年であり、「これまでに経験のない」という言葉がまさに…という一年でもありました。
生活が一変しつつも、ある意味「工夫」の一年でもあったと思います。
「工夫」ができる組織が維持発展できることが証明されたように思われます。
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ある知的障がい者施設では、「自粛ではなく工夫」をキーワードに様々な取り組みをしていました。
近隣同機能の施設では、家族との面会禁止、外出中止、レクリエーション中止など、ほぼ室内の居室に「隔離状態」の対策が講じられていました。しかし、この施設では、感染対策を徹底しながらも、利用者さんの生活の制限を極力少なくするための工夫をしていました。
そこにあるのは「利用者さんの尊厳」と「サービス提供」でした。
私たちは生活の中で、感染防止のための自粛をしつつも、食べたいものがあれば、買い物に行って手に入れることができます。やりたいことがあれば、できる限りそれを叶えようと工夫して手に入れようとします。
しかし、障がい者施設の利用者さんは、自分の意思でそれができません。その施設では、利用者さんは私たちと同じように生活する権利があるということ、そのために施設の支援員は生活できるサービスを提供する義務があるということを徹底して実践していたように思います。
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具体的には、とあるレストランで豪華ランチツアー。トイレ付バスを貸し切り、レストランまで移動。レストランもちょうど自粛時期だったため、一角を貸し切って、極力外部との接触をなくすことで豪華ランチツアーを実施することができました。いつもは施設の利用者さん全員で行くツアーも、今回は4つの班に分けて実施することで「蜜」を避けるようにしていました。
また、外部との接触がなく、生活でのメリハリがつけられないことから、ラーメンバイキング、カップケーキを作って好きなトッピング、おにぎりバイキング他、非日常を時々取り入れるなど、利用者さんが生活を楽しむことに工夫を凝らしていました。
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このたびの感染拡大に伴い、生活が一変しつつも、工夫をしないままではサービスの低下は免れません。
自粛という「やらない」という選択ではなく、工夫という「何とかやってみる」の選択にスイッチすることが今求められているのではないでしょうか。
2020年は新型コロナウイルス感染で、まさにパラダイム転換の一年だったのかもしれません。
これまで思いもつかなかったこと、これまで逆に否定されていたことが当たり前の時代に一気に突入したようにも思います。
「工夫」できる人、「工夫」できる組織。2021年はさらに求められることになりそうです。