横顔美人になるために ~Eライン(イーライン)をご存知ですか~

最終更新日:2022年6月23日

3年目に突入したコロナ禍。3年前はオンライン会議など考えられませんでしたが、今では、日常的になりました。オンライン授業も珍しくありません。

 

歯科医師という職業柄、在宅ワークやリモートワークは今のところ困難ですが、会社に出勤しなくても仕事が出来る時代になりました。

 

「新しい生活様式」によって消費動向も大きく変化しました。女性が会社に出勤するために必要だった「ストッキング」の売り上げは激減。また、顔の半分以上がマスクで隠れてしまうため、化粧品の売り上げも大幅にダウンしました。大幅に売り上げがダウンした化粧品ですが、アイメイク用品は売り上げを伸ばしたそうです。

 

マスクで隠れない「眼力(めじから)」で勝負する人が増えたからでしょう。

 

しかし、マスクをしていたら美人だったのに、マスクを外したらイメージと違った、というちょっと残念なケースもあるようです。コロナ禍以前はあまり気がつかなかったのですが、それほどまでに「口元の印象」はその人のイメージに大きく関係しているのです。

 

「美しさ」の基準や価値観は人それぞれですが、私達歯科医師は「Eライン(イーライン)」というものを美しさの基準にすることがあります。

 

Eライン(エステティックライン)とは「横顔における鼻先と下あごの最も突き出た部分を結んだ線」のことを言い、このEラインより数ミリ内側に唇が位置すると美しい横顔だと言われています。この基準はアメリカの矯正歯科医により考案されたものであるため、欧米人より鼻が低く下あごも後方に位置する日本人の場合は、Eライン上に唇が位置すれば美しい横顔だと言われています。

 

このEラインが崩れる原因に歯並びが関係しています。

 

歯並びに関係するのものは、「出っ歯」と呼ばれる上顎前突(じょうがくぜんとつ)、「受け口」と呼ばれる下顎前突(かがくぜんとつ)、上下の顎が前に出ている上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)などがあります。

 

上顎前突は上の前歯や上あごが前方に出ているために、上唇がEラインより外側に出ます。日本人に多い歯並びで、無理に口を閉じようとするとあごに梅干し状のしわが出来ます。また、口を大きく開けて笑うと歯ぐきが見え、「ガミースマイル」と呼ばれます。

 

下顎前突は下あごの先端が前に出過ぎているので、上下の唇がEラインより離れて内側に位置します。かみ合わせの問題はもちろんですが、発音もしにくくなります。

 

 

上下顎前突は上下の顎が前方に突き出しているため、人中(鼻の下から上唇に繋がる溝)や下顔面(鼻下から顎先まで。上顔面、中顔面、下顔面のバランスは1:1:1が美しいと言われる)が長く見えることがあります。

 

Eラインが崩れる原因は上あごと下あごの骨に問題がある場合と歯並びに問題がある場合があります。骨格的な問題がある場合は顎の手術が必要となりますが、歯並びが問題の場合は歯科矯正によって美しい横顔を手に入れることができます。

 

マスク生活が当たり前になったコロナ禍の最中、矯正治療と前歯の治療を始める患者さんが増えました。口元は顔の中で「眼」の次に注目される場所ですが、マスクで隠れるので治療をしていることが他の人に知られにくくなるのが関係しているようです。

 

マスクを外した時に「あれ、なんかイメージと違う」とガッカリされないように、マスクで隠れていても口元には気を配っていたいものですね。

 

 

コラムニスト:大澤優子

株式会社ケロル 代表取締役
歯科医師

八戸市出身。岩手医科大学歯学部卒業後10年の勤務医生活を経験し、その後大澤歯科医院副院長となり現在に至る。

医院とスタッフのマネジメント、子育てで悩んでいた40代で個性心理學と出会い、個性心理學認定講師として一部上場企業、歯科デーラー、小児科医院などでの講演を多数行っている。

青森市大澤歯科医院「ママさん歯科医師Dr. YUKO」のブログで女性歯科医師としての目線で、日々の診療、働く女性として、子育てのことなどを発信中。

●青森市大澤歯科医院「ママさん歯科医師Dr. YUKO」のブログ
https://ameblo.jp/dr-yuko0610/

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執筆者
青森ドクターズネット編集部

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