ヒト・コト(人事)日記~「人事」の仕事は「ひとのこと」:人事管理と労務管理①~「労務管理」とは~

最終更新日:2020年6月9日

人のマネジメントには、「労務管理」と「人事管理」の2つがあります。よく「人事労務管理」と一緒くたに言い表すことがありますが、本来は別物として扱う必要があります。その理由は、必要な知識が違うからです。知識が違うということは、マネジメントの内容も勿論異なるので、その違いをきちんと押さえておく必要があります。

 

そこで、今回は「労務管理」について述べたいと思います。

 

「労務管理」とは、簡単に言うと「法令に基づいて、人を雇用すること」です。法令とは、労働基準法に始まり労働安全衛生法他、国が定めたもの、また自院の就業規則や給与規程他、それに付随する関連規程も含みます。

 

よって、「労務管理」は必ずやらなければならない人のマネジメントなのです。疎かにすることは、法令違反になりますので、きちんと管理できる知識が必要となります。多くのクリニックでは、社会保険労務士さんと顧問契約をしていると思いますが、それでも労務管理に関する知識はある程度抑えておく必要があります。

 

 

かつてクリニックでは、就業規則も給与規程も作っていないことが多かったと聞いています。労働基準法では、従業員が10名以上いる事業所では、労働基準法第89条の規定により、就業規則を作成して所轄の労働基準監督署に届け出なければならないとされています。しかし、昨今の従業員の労働への関心度から、スタッフが10名に満たないクリニックでも、就業規則や給与規程を整備しているところが増えてきています。

 

10名いるかいないかという人数の問題というよりは、労働基準法に従ってきちんと働く環境が整っているクリニックは、スタッフにとって安心して働ける職場の条件の一つとして見られることがあるからです。

 

法令で定められているからという理由はもちろんなのですが、よりよいクリニック運営を考えるならば、法令で定められていることをきちんと整備しておくことが、優秀なスタッフ、来てほしいスタッフ、いてほしいスタッフを呼び寄せる大切な職場環境整備の一つであることでもあるのです。

 

今の貴院の労務管理は、どこまでできていますか? 

 

 

 

 

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執筆者
下田 静香

下田 静香

代表取締役社長

経営学修士(MBA)
法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科卒

青森県八戸市鮫町出身。1969年生まれ。
青森県立八戸北高校、群馬県立女子大学を卒業後、専門学校、大学、財団法人、社会福祉法人の事務部門を経験。その後、病院、介護施設の人事制度構築コンサルタントとして活動。40歳のとき、人事の専門家としての“道”を再構築するため、経営大学院に入学。病院における人材・組織開発、多職種連携を研究。

現在は、医療分野、福祉分野(介護、保育、障害)の人事制度構築、人材育成プログラム開発、人材育成に関する階層別研修、組織開発研修や講演、執筆等、人事組織アドバイザー、研修講師として活動中。クライアントの要望に添った丁寧なコンサルティング、すぐに使える(活かせる)研修プログラムと講義を大切にしており、人事制度構築では、全国の病院、介護施設で実績を積み、それに付随する評価者研修講師は延べ500件以上を手がけている。

著書に「介護施設のためのキャリアパスのつくり方、動かし方」(東京都社会福祉協議会)、「理学療法士育成OJTテキスト」(文光堂 共著)、「医療人材・組織の育成法」(経営書院 共著)

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