今回のめんこい日記は着物スタイリストの長野藍子さんにインタビューをさせて頂きました。長野さんに初めてお目にかかったのは東京北千住の「ごっつり」にて開催された八仙の会でした。
和服を召されていて、凛としたたたずまいに存在感を感じました。お話を伺うと着物の先生をされているとのことで、なるほどなあと思ったのが最初です。
ごっつりのイベントで何回かお目にかかり、お仕事のお話を詳しく伺ってみたいなと思っている時にこの企画があり、お願いしたところ、快くインタビューを受けて頂きました。
東京で活躍する青森着物美人がどのような経緯でそうなったのか、気になりますよね。その辺りもじっくりとお伺い致しました。
それではどうぞ!
目次
- 着物スタイリストという仕事について教えてください。
- 着物に興味を持たれ、この世界に入り込まれたきっかけについて教えてください。
- 着物だけではなく華道や茶道もされているようですが、いろいろな事柄を通じて日本文化を深く知っていこうという気持ちで取り組まれているのでしょうか。
- お花やお茶の師匠と長く付き合うコツはありますか?
- 青森のご出身ですが、東京に出られたきっかけについて教えてください。
- 今はコロナの関係でご実家に戻られ家庭菜園などをされていますが、ご実家の良いところを見直す機会になったのでしょうか。
- 青森から都会へ引っ越されて、体調など崩されませんでしたか?
- 美貌を保つ秘訣について教えてください。
- 着物の先生だからこそ、特別にやっていることはありますか?
- 今後のビジョンについて教えてください。
- 中国の方は、日本の文化にかなり関心があるのでしょうか。
- 最後に視聴者へのメッセージをお願いします。
着物スタイリストという仕事について教えてください。
この仕事をするときに、私の中で決めていることがあります。
それは、自分自身で着物を着られるようになりたい、と思う方に対して着付けの仕方を教えることに加えて、自分で着ることができなくても良いけれど結婚式やお子さんの成人式にはプロに着付けて欲しいという方に対しては美容師さんと一緒にヘアセットも含めてさせていただくということです。
また、着物全般で悩み事があった時やコーディネートに迷われている方に対しても、アドバイスをするようにしています。
着物に興味を持たれ、この世界に入り込まれたきっかけについて教えてください。
きっかけは不純ではあるのですが、当時20代前半の頃に洋服でパーティへ参加をした際、職場の同僚が自分で着物を着て出席をしていました。その時、参加者の方々から「着物っていいね」と、すごくチヤホヤされていたのを羨ましく思ったからです。
着物を着るだけでこんなに人気者になれるんだと単純にそう思い、習い始めることにしました。当初は、これを仕事にしようという気持ちはなく、事務の仕事もしていたので自分で着物が着られればいいという感じでした。
着物というのは不思議で、一枚着るだけで周りに人が集まり、それをきっかけに話が盛り上がり人気者になれますよね。
自分で着物を着ていると自然と背筋が伸びますし、目線を感じます。綺麗に着こなさなければいけないと感じますし、周りの方も着物って良いなと思っていただけることで自分も周りも幸せになれるのではと、着物を着てどこへでも出掛けるようにしています。
着物だけではなく華道や茶道もされているようですが、いろいろな事柄を通じて日本文化を深く知っていこうという気持ちで取り組まれているのでしょうか。
そうですね。着物を教え着付けをしていると、お客様の中にお茶をやっている方やお花をされている方がいらっしゃいます。仕事を始めた当初は自分自身に知識があまりなかったので、生徒さんから「お茶をしているのですが、こういう時にどうしたら良いのでしょう」と聞かれても上手く答えられず、聞かれて初めてその事実に気がつきました。
やはり、日本文化に関してトータルで幅広い知識を持っていなければプロではないなと私自身も思いましたので、少しずつですがお茶やお花、日本舞踊にも取り組んでいます。どれも披露するほどのものではありませんが、細く長く続けています。
お花やお茶の師匠と長く付き合うコツはありますか?
日本の伝統文化の先生は厳しい方が多いイメージですし実際に多いのですが、それだと私も長く続けられないので、紹介していただいた中から一緒にやっていけそうな割と厳しくない先生を選んで習っています。
師弟関係を長く続けるためには先生選びが大切だと思いますし、私も教える立場でもありますので、生徒さんと長く付き合えるよう心がけながら教えるようにしています。
青森のご出身ですが、東京に出られたきっかけについて教えてください。
単純に、田舎から出たかったというのが理由です。
私には姉が3人いるのですが、そのうち2人は東京で生活しているので上京しやすかったというのも大きいですね。単身で上京するわけではなく、頼りになる姉も近くにいるので東京へ行って仕事をしようと思いました。
今はコロナの関係でご実家に戻られ家庭菜園などをされていますが、ご実家の良いところを見直す機会になったのでしょうか。
本当にその通りで、おそらく外に一度出たからこそ良いと実感する部分がありますね。これがずっと青森にいて実家にいる生活をしていたなら、その良さがわからなかったと思います。
上京した当初は、田舎が嫌いだと思うこともありましたが、長く東京で生活し数か月戻ってきている状況の中、田舎だからこそのんびりと生活できています。祖父母が生きていた頃は農家もしていたので、今は何も使っていない畑を借りて1人で出来るくらいの空間で家庭菜園を始めました。ちょうど、自給自足の生活がコロナの影響で流行り始めていますので、家庭菜園を始めたという話をすると皆さん興味を持ってくださいますね。
ついこの間、八戸に住んでいる方と友人になったのですが、東京で仕事をしている人が家庭菜園をしているということ自体に意外性があり、とても素敵だと言ってくださいました。
私にとっては普通のことだったのですが、東京と青森だと意識が全く違います。どちらの生活も楽しく感じていますし、満足しています。
青森から都会へ引っ越されて、体調など崩されませんでしたか?
確かに、東京に住み始めた20歳前後の頃は体調を崩しやすかったですね。若いから私は大丈夫と思っていても、つい無理をして体を壊しがちでした。環境の変化で自律神経に影響が出ましたし、当時は顔全体がぶつぶつだらけという時期もありました。
美貌を保つ秘訣について教えてください。
まず、食生活ですね。どうしてもストレスがたまると暴飲暴食しがちですし、私はお酒も好きなのですが、飲み過ぎた次の日は節制するなどメリハリをつけるようにしています。我慢しすぎると体にも良くないので、ストレスとどう向き合っていくのかというところが一番の秘訣ではないでしょうか。楽しいことをすると内側から女性ホルモンが活性化し、幸せホルモンが出てきますので、プラス思考で楽しくやっています。
着物の先生だからこそ、特別にやっていることはありますか?
体を鍛えるまではいかないのですが、ヨガをしたり、体幹を鍛えるようにしています。着物は着ただけで姿勢が良くなりますので、それだけで姿勢を綺麗にしてくれますよね。
また、常に自分が着物を綺麗に着ていなければ、この先生に習いたいと思ってもらえません。簡単に言うと、肌がボロボロのエステティシャンに「すごく綺麗になるんですよ」と言われても説得力がないのと同じことなので、常に、笑顔で人と接しながら綺麗に着物を着るよう心がけています。
今後のビジョンについて教えてください。
主人の仕事の関係で上海に居住地を構えていることもあり、基本的に私の拠点は上海になります。そちらで着付けやお花を教えていこうと思っていた矢先にコロナがあったので、元の生活に戻った時にはまず、それに取り組みたいですね。
また、どこにいたとしても、その場所でしか出来ないことをやりたいと思っているので、現地の中国人と国際交流をしながら着物やお花といった日本の文化を伝えていきたいと思っています。
中国の方は、日本の文化にかなり関心があるのでしょうか。
日本に来る外国人は、日本に興味があって来ているので当然と言えば当然なのですが、逆に、現地にいながら日本の良さを伝えるということは人数も多いですし難しさもありますが、その中でどういった形で交流をしていったら良いのか考えていきたいですね。
今はネットでつなげられる時代です。せっかく青森に実家もありますので、ここでも出来る着付けや家庭菜園なども取り入れていきたいと思います。
最後に視聴者へのメッセージをお願いします。
青森という場所は空気も綺麗で山もありますし、海の幸や山の幸など美味しいものがたくさんあります。それこそ、大地震などがあっても自給自足ができる県だと思っています。
他府県の方には永住は難しいかもしれませんが、遊びに来て欲しいと思う場所ですね。
旅行というと、どうしても青森を飛ばして北海道へ行きがちですが、そこを敢えて飛ばさずに青森へ来て美味しい食事を食べ、山や海を楽しんでいただければと思います。
まとめ
インタビューの内容はいかがだったでしょうか?
何事も突き詰めていくと、それが形になり、発展していく様子がよく理解できた取材でした。
これから上海での活動が中心となるとのことで、長野さんが青森と上海がつながる大きなきっかけになりそうな感じがします。
長野さん、お忙しい中、取材に応じて頂き、ありがとうございました!
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
<参考サイト>
着物スタイリスト藍子〜中国上海生活ブログ〜
https://ameblo.jp/indigoblue1023/