浅利 享先生インタビュー ~あおもり藍研究で学会にて2つの賞を受賞~

最終更新日:2022年1月1日

浅利先生ご略歴

 

平成25年   秋田大学 医学部卒業
同年4月         青森市民病院 初期研修医
平成27年   弘前大学医学部 消化器血液内科学講座へ入局
同年4月         青森市民病院 消化器内科   医師
平成29年4月 弘前大学医学部 消化器血液内科学講座 医院
令和2年4月    弘前大学医学部 地域救急医療学講座 助手
令和3年4月  黒石市国民健康保険 黒石病院 内科医長

このたびは2021114~7日に神戸コンベンションセンターで開催された『JDDW2021KOBE:第29回 日本消化器関連学会週間(日本消化器病学会、日本内視鏡学会、日本肝臓学会、日本消化器外科学会、日本消化器がん検診学会の合同学会)』にて、弘前大学大学院医学研究科消化器血液内科学(現 黒石病院内科)の浅利享先生が「蓼藍のDSS誘発腸炎マウスに対する粘膜保護作用」について発表されました。

 

そして、この発表について、同学会から「優秀ポスター賞と若手奨励賞」のW受賞されるという快挙ということで、即座に取材を申し込ませて頂きました。

 

ぜひ、ご覧くださいね。

ドクターになったきっかけについて教えてください。

子供の頃は体が弱く、幼稚園では月に一回、小児科を受診していました。そのときの小児科医が、近所の優しいおじさんのような雰囲気で、なんとなく医者になりたいなと思ったのがきっかけです。

 

医学部に入るのは、かなり大変だったのではないでしょうか。

大学は一回では合格できずに、一浪しました。私は弘前市出身なのですが、弘前大学ではなく秋田大学へ進みました。

 

医者家系ではないので、学費の面も考えて奨学金を検討していたところ、ちょうど、青森県が県外の大学に通っていて、将来、青森へ戻ってくる大学生に対する奨学金を用意していました。それに応募して、奨学金をもらいながら通っていたこともあり、こちらへ戻ってきました。

 

先生は消化器内科の中でも血液内科を選ばれていますが、その理由を教えてください。

血液内科をやっているわけではなくて消化管がメインかと思います。

内科のなかで消化器血液内科学講座を選んだ理由としてお腹が弱かったので消化管に興味を持ち、消化器血液内科学講座に所属することになったという経緯です。

 

おそらく、各大学や医局によって、取り組んでいる幅は違うと思います。私の場合は体も弱かったのですが、お腹も弱いこともあって消化管に興味を持ち、そして、消化器科の中の血液膠原病内科に所属することになりました。

 

今は黒石病院にいらっしゃいますが、医局人事で来られたのでしょうか。 

弘前大学消化器内科の医局に所属していて、そこから黒石に派遣されている形です。次の勤務地がどこになるかは、医局の采配によると思います。

 

消化器医として黒石市には、どのような疾患を持つ患者さんが多いとお感じでしょうか? 

弘前市とは異なり、各分野の専門医の先生が常勤で必ずしもいるわけではありません。高齢だとどうしても一つの分野ではなく、内科全般に何かしらの問題を抱えていることが多いので、分野にこだわらず内科医としてオールマイティに診ているという感じでしょうか。

 

今回、新しい研究をされたきっかけについて教えてください。 

大学院の学位取得のために研究を行っていました。

私は9年目で、医者の中でも若手なのですが、医局に所属すると上の先生が大学院の学位に関する面倒をみてくださるという流れができています。

 

ちょうど、菊池先生があおもり藍に興味を持たれていましたし、私たち消化器内科医として、あおもり藍が体にどのような影響を及ぼすのか動物実験を行ったのがきっかけです。

 

今回、優秀ポスター賞と若手奨励賞をダブル受賞されましたが、どのような点を評価されたと思われますか。

自然の食品の中で潰瘍性大腸炎に効果があるというのは、医療費の面から見ても良いですよね。

 

また、自然の食品で効果があるなら体への負担が少なくなるという面も評価されたのかもしれないですね。

 

まだ動物実験レベルなので、人が食べたときに同じ効果があるかの証明ができていません。動物と同じような効果が人にもあるなら良いのですが。今後の研究の方向性についてはまだ決まっていません。

 

青森県は、短命県を返上しようと取り組まれていますが、この点について先生のお考えをお聞かせください。 

まず、病院嫌いで健康診断も受けていない人が一定数いるという印象です。特に、黒石市に来てから、強くそう感じるようになりました。

 

具合が悪くなってしまってから初めて病院を受診するので、いろいろなものが見つかるということを経験しています。やはり、健診やかかりつけ医を見つけて定期的に診てもらうなど、予防医学から始めた方がいいのではないかと思うところはあります。

 

中でも、胃がん検診や大腸がん検診ですね。検診をうけていなくて症状が出て初めて受診して進行がんがみつかるという人もいますので、きちんと健診を受けてほしいと強く思います。

 

 

食事や運動はいかがでしょう。 

やはり塩分の摂取量が多いですね。血圧で通院されている人も、塩分の摂取量が多いのがこの地域の特徴です。それに糖尿病で通院されている方がおやつをたくさん食べてしまったりしています。

 

ただ、私の家系が農家なので良くわかるのですが、農家はみんなで作業をして、休憩するときにみんなでおやつを食べる文化がありますよね。みんなで農作業の合間におやつを食べている姿を子供の頃に見ていたので「やめてください」と言っても習慣を変えるのは難しいとは思っています。

 

今後のビジョンを教えてください。

専門医はコロナの関係で延期になっていまして、受験できずにいるのですが、当面の目標は、大学院で博士号を取ることと専門医の取得です。

 

そして、環境が整えば研究にも取り組んでいきたいと考えています。

 

 

まとめ

病院勤務医として多くの患者さんを診察し、そして、その上で専門医試験や博士号を取得するために勉強や研究を重ねられている様子をうかがうと若手の医師の多忙さがよくわかります。

 

そんな中でこのような研究を進めて来られたことが学会に評価されることは凄いことだなと思いました。また、新しいあおもり藍の驚くべき効用も明らかになった訳で、これからの研究も非常に楽しみと言えるかと思います。

 

多忙な中を縫って、インタビューに答えて頂きました浅利先生にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

 

 

関連サイト

https://aomoriaikk.blogspot.com/2021/11/29dss.html?fbclid=IwAR3GUuHs8Iolha0qEEJ1lCmxdIsq4zdlj7LtL_e_adT16GOeJrsDGQwzIZ4

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